雨に思う

雨趣六月、といえば雨の季節である。
雨といえばいつだったか、朝日新聞の「天声人語」にあったように思うが、「同じ字を雨雨雨と雨るなり」の読み方如何(いかん)と。
答えは「あめ、さめ、だれと、ぐれるなり」とあった。「春雨(はるさめ)」「五月雨(さみだれ)」「時雨(しぐれ)」がヒントである。
梅の実が、丸みを増して黄熟するころ降る雨が梅雨である。この梅雨が明けると本格的な夏の兆しが、太陽の照りに感じられる。
シソの葉とともにカメに漬けておいた梅の実を日干しにする。俗に「三日三晩の土用干し」といわれるこの作業は、こまめに手をかけないと美味しい梅干しにならない。こんな風物詩も、近頃はあまり見られなくなった。梅干しが食膳に上がるまでには大変な苦労がある。

お天気博士の倉嶋厚氏の『四季だより』に「うめぼしのうた」が紹介されていた。
「二月三日花ざかり  鶯鳴いた春の日の  たのしい時もゆめのうち
五月六日実がなれば  枝からふるい落とされて
近所の町に持ち出され  何升何合計り売り
もとよりすっぱいこのからだ  塩に漬かってからくなり
紫蘇(しそ)に染まって赤くなり  三日三晩の土用干し
思えば辛い事ばかり  それも世のため人のため
皺(しわ)はよっても若い気で  小さい君らの仲間入り  運動会にもついて行く
まして戦のその時は  無くてはならぬこの私」
これは昔の尋常小学校読本巻五にのっている「うめぼしのうた」だそうである。この歌を口ずさんだ人は、もう90才くらいになるのだろうか。擬人化された梅干しに、おのが人生をダブらせて、食卓の梅干しを眺めて感慨にふけるもまたよしか。

陰暦五月二十八日は曽我兄弟が討たれた日で、この日降る雨は曽我十郎祐成(すけなり)の愛人、大磯の遊女・虎御前の涙が雨になったとか。この俗説から、この頃降る雨を「虎が雨」「曽我の雨」と呼んで、俳句の季題となっているのは一興である。
大聖人は、
「雨の猛(たけ)きを見て竜の大なる事をしり、華の大なるを見て池のふか(深)きことはし(知)んぬべし」(御書550頁)
と仰せである。厳粛なる因果の理法の前に襟(えり)を正して、万才悔ゆることのない信心の歩みを運ぼうではないか。


大乗山 持経寺住職  丸岡雄道・著『麻畝の性 巻頭言  第一聚』より(禁無断複製転載)
巻頭言バックナンバー
新着情報

平成30年6月1日 トップページ/巻頭言を更新いたしました。

平成30年6月1日 行事案内/6月の主な行事を掲載いたしました。

平成30年5月1日 トップページ/巻頭言を更新いたしました。

平成30年5月1日 行事案内/5月の主な行事を掲載いたしました。

平成30年4月1日 トップページ/巻頭言を更新いたしました。

平成30年4月1日 行事案内/4月の主な行事を掲載いたしました。

平成30年3月1日 トップページ/巻頭言を更新いたしました。

平成30年3月1日 行事案内/3月の主な行事を掲載いたしました。

平成30年1月1日 トップページ/巻頭言を更新いたしました。

平成30年1月1日 行事案内/1月の主な行事を掲載いたしました。

平成29年12月1日 トップページ/巻頭言を更新いたしました。

平成29年12月1日 行事案内/12月の主な行事を掲載いたしました。

平成29年11月1日 トップページ/巻頭言を更新いたしました。

平成29年11月1日 行事案内/11月の主な行事を掲載いたしました。

平成29年10月1日 トップページ/巻頭言を更新いたしました。

平成29年10月1日 行事案内/10月の主な行事を掲載いたしました。

平成29年9月1日 トップページ/巻頭言を更新いたしました。

平成29年9月1日 行事案内/9月の主な行事を掲載いたしました。

平成29年8月1日 トップページ/巻頭言を更新いたしました。

平成29年8月1日 行事案内/8月の主な行事を掲載いたしました。

平成29年6月1日 トップページ/巻頭言を更新いたしました。

平成29年6月1日 行事案内/6月の主な行事を掲載いたしました。

平成29年5月1日 トップページ/巻頭言を更新いたしました。

平成29年5月1日 行事案内/5月の主な行事を掲載いたしました。

平成29年2月1日 トップページ/巻頭言を更新いたしました。

平成29年2月1日 行事案内/2月の主な行事を掲載いたしました。

平成29年1月1日 トップページ/巻頭言を更新いたしました。

平成29年1月1日 行事案内/1月の主な行事を掲載いたしました。

このページのトップへ

HOME持経寺の沿革行事案内日蓮正宗の信仰法話選集正しい信仰と功徳法華講持経寺支部
お問い合わせこのホームページについてリンクサイトマップ