★真実の悟り
真実の悟りを得るには、どうしたらよいか。
世の中には、あれも悟り、これも悟りという言葉が、いっぱい広がっている。しかし、ほとんどが枝葉の言である。真実の悟りは、我々のすべてに元から具(そな)わっている不思議な真理を観じて、それを知ることであるが、一般人の智慧では、種々の部分的判断に執われるために、その全体の理を知ることはたいへん難しいのである。
しかるに、この不思議な真理を一言にして顕した法がある。それによって初めて、その広大な真理のなかに入ることができる。その法とは、妙法蓮華経である。故に、これを唱えれば、おのずから不思議な真理を我が身心に観じ、会得する。これにより、最高の悟りを決定(けつじょう)して得ることができるのである。
(総本山第六十七世日顕上人猊下御教示『すべては唱題から』より 5ページ)
★我が一念の妙法
妙法蓮華経には、釈尊の説かれた八万聖教(しょうぎょう)の意義と、三世十方の諸仏・菩薩の悟りが具(そな)わっている。
しかし、さらにその当体に即して絶対的な本仏がまします。すなわち、久遠の根本の時と末法の時が、そのまま相即する実在としての人法一体の本仏日蓮大聖人である。しかも、その妙法は我々の手の届かない遠い所にあるのではなく、本来、妙法を唱える我が一念に具わっている。
故に、人法一箇の御本尊の妙法を信じ唱えるとき、我が一念が、そのまま広大な功徳を持つ妙法蓮華であることを、命の奥底に悟るのである。
(総本山第六十七世日顕上人猊下御教示『すべては唱題から』より 6ページ)