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【これまでに掲載された巻頭言】
平成27年8月掲載「ミョウガ汁」  平成27年7月掲載「無学の学」  平成27年6月掲載「ほたるに思う」  平成27年5月掲載「生と死と」  平成27年4月掲載「広・略・要」  平成27年3月掲載「知識と智恵」  平成27年2月掲載「一字の師」  平成27年1月掲載「達成・出陣の年を迎えて」


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知識と智恵

望郷譜(春霞)「たらの芽の翡翠(ひすい)のいろに揚りたる」 杏子

情報過多の時代である。コンピュータや携帯電話の氾濫が、この傾向に拍車をかける。
記憶力という限られた情報源を駆使して手書き原稿に徹する私に、人はパソコンを奨(すす)める。ほとんど病気と言っていいほどの頑(かたく)なさでそれを拒否する。パソコンが生理的に嫌いなのである。
なるほど情報は多いほど正確な仕事につながるかもしれない。しかし、いかに多くの情報を得ても、それを処理し、分析し、活用できなくては、情報は単なる知識の集積に過ぎなくなる。
情報の分析、処理、活用は智恵の分野である。智恵を磨いてこそ知識も活かされる。その限りでは、まだ人智のほうを信頼したい。

豊臣秀吉が信長の命で岡山に出陣し、毛利氏と戦っている最中に「本能寺の変」が起きた。この時、「信長死す」の情報を先に得たのは毛利方であったが、その使者が秀吉方に捕らえられ、秀吉は運よく毛利方より先に信長の死を知った。
秀吉は茫然自失する間もなく、すぐに情報を有利に活用して、毛利氏が信長の死を知って勢いづく前に巧みに手を打ち、毛利方と講和を結ぶ。
こうして後顧(こうこ)の憂(うれ)いを断っておいて、素早く取って返して明智光秀をあっという間に打ち破って主君の仇を討ち、天下取りの初陣を飾る。
秀吉の行動に関する情報を入手できず、後手に回って万全の策に遅れをとった光秀の敗北である。


大乗山 持経寺住職  丸岡雄道・著『麻畝の性 巻頭言  第二聚』より(禁無断複製転載)
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