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【これまでに掲載された巻頭言】
平成24年9月掲載「風いろいろ」  平成24年8月掲載「小さな思いやり」  平成24年7月掲載「笑いのメカニズム」
平成24年6月掲載「向こうざす心を」  平成24年5月掲載「与える木」  平成24年4月掲載「花に学ぶ」
平成24年3月掲載「春めく頃」  平成24年2月掲載「寒苦鳥」  平成24年1月掲載「辰歳余話」


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風いろいろ

残月「庭十歩秋風吹かぬ隅もなし」子規
9月。秋風の譜が聞こえてくる。
9月1日から3日間、富山県八尾町では「風の盆」というお祭り行事が催される。9月1日は、立春から数えて210日。台風が一番多くやってくる季節は、農家にとっては厄日なので、その厄払いのために、風の神様も踊りの輪に巻き込んで、風とともに送り返すため、町中の人が3日3晩、越中おわら節を踊り明かすユニークな祭りである。
私はこの「風の盆」で気がついたのであるが、農耕民族である日本人と風との関わりは随分古くからあるようである。これは島国で風が多く、春夏秋冬の四季があるためではなかろうか。 日本人の生活、乃至(ないし)芸術感覚の基調は「花鳥風月(かちょうふうげつ)」といわれるが、花、鳥、月は目に見えても、目に見えない風が加わっていることは決して偶然ではなかろう。それだけ風が、私たちの生活に大きく関わっている証拠であろう。
風色(かぜいろ)、風雪(ふうせつ)、風土、風まかせ、風(ふう)変わり、風を切る、風の便り等々、『広辞苑』に風(かぜ)とつく字は56、風(ふう)とつく字は116もある。
そういえば本紙(麻畝の性)にも「風聞箱」なるコラムがある。5月の風は青嵐(せいらん)、梅雨時の風は黒南風(くろはえ)、梅雨明けの風は白南風(しろはえ)と、目に見えない風にも青、黒、白と色をつけて季節感を表している。
思い出したが、昔「風見鶏(かざみどり)」とニックネームをつけられた総理もいた。つまり風というものは、目には見えないが確かに存在するもので、人間の精神の働き、人間性、教養等を表す媒体であろうか。
宗祖云く、
「風ふけば木ゆるぐ」(御書1520頁)


大乗山 持経寺住職  丸岡雄道・著『麻畝の性 巻頭言  第一聚』より(禁無断複製転載)
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