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ミョウガ汁

丸岡雄道御住職作品「茗荷汁にうつりて淋(さび)し己が顔」 鬼城

茗荷汁(みょうがじる)に郷愁を誘われる季節である。
地下茎の先に鱗(うろこ)のような葉に包まれた、たけのこ状の花序が地から涌(わ)いたように出てくる。これを俗に「ミョウガの子」といって、薬味、漬物、汁の実として食用にする。
釈尊の弟子に須梨槃特(すりはんどく)という者がいたが、この男は後世に語り伝えられるほど忘れっぽくて、とうとう最後には自分の名前まで忘れてしまった。
そしてこの男の墓から生えてきたのがミョウガだったと言われるところから、「ミョウガを食べるともの忘れする」と昔から言い伝えられている。

ある旅館の主(あるじ)が、金持ちの泊り客に財布を忘れさせようと悪巧みして、ミョウガ汁を作ってごちそうした。
その客はおいしそうに、おかわりまでして食べて、その晩はいい気持ちで寝て、翌朝早立ちで出て行った。
主はミョウガの効能を期待して、あの重たそうな財布を机の下に忘れていったに違いないと部屋をのぞきに行った。財布どころか紙くず一つなかった。
がっかりして帳場に戻って主、
「ミョウガの効果てきめん。あの野郎、宿賃を払うのを忘れて行きやがった」
と舌打ちをした。おなじみの落語『ミョウガの宿』である。

私どもは、宗祖の誡(いまし)めを忘れてはならない。
「つたな(拙)き者のならひは、約束せし事を、まことの時はわするるなるべし」(開目抄・御書574頁)


大乗山 持経寺住職  丸岡雄道・著『麻畝の性 巻頭言  第二聚』より(禁無断複製転載)
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